AT_N's MEMO

AT_Nって人の雑記帳。ゲームの話が9割。

Wargame:European Escalation れびゅー?

"R.U.S.E"のEugenSystemsが開発と販売を手がけるRTS"Wargame:European Escalation(以下W:EEと略記)のレビューの真似事。

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●表面的には単純化されたシステム
リアルタイムストラテジーと聞くと、どうしても「複雑そう」「難しそう」「煩雑じゃないの?」みたいなイメージが沸く。
しかし、 このゲームをプレイする上で、最低限これを覚えれば形になる、という情報は少なめと言える。
もちろん、ユニットごとの役割、特性といった細かいファクターのデータは膨大ではあるのだけれど、全てを覚える必要はなく、単純化された操作とルールを覚えておけばひとまずのところプレイに支障はない。
即ち、ユニットの生産、ユニットの移動、攻撃対象の指定、資源獲得のルール、勝利条件 といった最低限の事柄を覚えるだけでいい。

●単純さと複雑さの同居する優れたゲーム性 
 システム面は単純ながら、ゲーム性は一口に言い表せない奥深いものとなっている。(ただし、これはハードルが高いことを意味しない)
例えばヘリユニットは機動力があり、強力な武装のものであれば一方的に地上のユニットを攻撃できる機会を得やすいが、これに対するアンチユニットとして対空ユニットをぶつければ容易にヘリは落ちてしまう。
したがって、基本的な思想は相手のユニットに対して有利なユニットをぶつければ良い、という単純明快なものである。
しかし、状況次第ではヘリユニットが対空ユニットに撃ち勝つ展開はままあることで、ユニット相性は必ずしも戦局を左右するものではない。
つまり、不利な戦力でも"戦略"次第では逆に有利な状況になることすら あるわけだ。
システム面やユニットの相性といった要素は基本的に単純ながら、それらを用いてどうやって勝つか、というストラテジーの面においてこのゲームは非常に高度なやり取りを要求してくるのだ。

●絶妙なバランス
このゲームのシステム面が単純であるという特徴を示す1つの要員として、陣営は2つしかないという点も挙げられる。
それは「西か東か」。よって、ゲームバランスはこの2つの陣営間で考えられるのだが、これは開発がフィードバックを受けて調整をこまめに入れているため変動しつつあるが、どちらかが少し有利 になるくらいのバランスである。(多分)
しかし重要なのは、多少のバランスの偏りはストラテジー、戦略の組み方の上手さで容易に覆る程度のものである点だ。
これは対戦ツールとして見たときに、稀有なくらい良く調整されたものであるだろう。 

●純粋に知識と経験の蓄積が物を言うことの問題性
このゲームは非常に面白い。何せRTSに全く馴染みの無い人間がガッツリ熱中し、楽しめているくらいだからその中毒性は推して知るべしだろう。
しかし、戦略や戦術の比重が大きすぎる点と、マルチでのレベルアップ(含CPU戦、ソロのCPU戦ではない)やシングルのシナリオを クリアしてもらえるスターでユニットをアンロックしてデッキを組むというシステムの都合上、知識や経験を積まないで既存プレイヤーに勝つのはかなり難しい。
戦力の充実を怠って勝てるはずもないのだが、 しかし初めてプレイするユーザーはかなりとっつきにくいイメージを持つだろう。
やればやるほど戦略やユニット特性 への理解が進み、面白さを増していくゲーム性であるが故の弊害ではあるが、これはちょっともったいない。

●データに表示されない要素の存在
このゲームはユニットごとにステータスが設定されていて、これはいつでも見られる代物なのだが、しかしこのステータスに表示されない特性というものが存在する。
例えば対戦車ミサイルはユニットが静止していないと撃てないとか、まあそういった要素のことだ。 
これも武装に対する理解か、プレイ経験を積まないと分からないことであるため、新規ユーザーにとっては敷居を上げる要因でしかないだろう。

●それでも面白いものは面白い
ガッツリ楽しめるようになるために踏むステップが長いため、人を選ぶのは間違いないだろうが、シンプルなシステムと奥深いゲーム性は 対戦ツールとしては稀有なほど洗練されたバランスを実現しているため、傑作とはいかないまでも良作以上のポテンシャルを持っているだろう。